KATOのキハ35系のレポートです。
遅れて発売のキハ30も無事入線していたのですが、日々の忙しさにレポができないままでした(汗)
(まぁレポートと言っても主観的な偏見と好き嫌いでのおハナシですので、たいしたものではないのですが・・・)
上から順にキハ30・キハ35・キハ36となっています(T車のみですが)。
実車は最初にキハ35とキハ36が造られました。
キハ35は大都市圏の非電化区間における通勤の要として開発されたちょっと変り種の気動車でした。
そのため気動車としては珍しく3扉両開き式で、全車ロングシート(キハ35のトイレ横のみクロスシート)と言う形態をしていました。
両形式とも片運転台仕様で、キハ35のみトイレが設置されていました。
キハ36は元々キハ35と2輌1組での運用が念頭に置かれて開発された形式なので、トイレ無しと言う仕様での設計がなされたわけです。
後に両運転台仕様のキハ30が製造され、そちらが主流として運用され始めたためにキハ36の存在意義が希薄になりました。
そのためキハ36の総製造数は49輌のみという、かなり少数派の形式になってしまいました。
模型は僕の大好きな一般色です。
首都圏色もいいんですが、僕的にはこちらの一般色の方が親しみがありますので・・・
製品は上の写真の様なジャンパ栓が別パーツ化されています。
これはキハ30・35・36・T車・M車全てに共通のパーツの様です。
両運転台仕様のキハ30の両端にケーブル付きのジャンパ栓を付けようとした場合はパーツが足らないことになりますね。
もっともこのケーブル付きのパーツは、中間車として連結面側に付けてしまうと、カーブを曲がる際にカプラーその他と干渉してしまう可能性がある様ですので注意が必要ですね。
キハ30にジャンパ栓を取り付けた様子です。
こちら側はケーブル付き、反対側はケーブル無しを取り付けました。
各形式を前面から見たところですが・・・
違いがありませんね(笑)
キハ35とキハ36はまだジャンパ栓が付いてませんが・・・
ちなみに細かいことを言うと、厳密にはキハ36の前面形状は他の2形式とは微妙な違いがあります。
KATOの今回の模型ではキハ30・35と同一のものになってしまっていますが、実際は運転台向かって右の前面窓の右側にある小さな四角い出っ張りがキハ36には存在しません(もっと厳密に言うとキハ35の1から26にもありません)。
この四角いモールドは何かと言うと、内側から外側に向かってかぱっと開けることのできる通風口です。
開発当初のキハ35(1~26)と全てのキハ36は、この通風口はさらに右側・・・車体横に付いていました。
しかしキハ35-27以降とキハ30では、さらなる通風効果を得るために前面に取り付けられることとなりました。
資料本によれば、前面のこの位置のほかに標識灯の右脇にもうひとつ設けられていたタイプも存在していたらしいです。
またこの通風口の位置が前面か側面かによって、上部の雨樋の長さも微妙に異なっていました。
側面に付いていた初期のキハ35とキハ36全車は雨樋が車端部までありましたが、前面に通風口が設けられていた車輌は内側を通る縦雨樋の位置を少し後方へ移動させて設置する必要があったため、この部位の上方の雨樋も若干短く、乗務員扉の前端ぐらいまでとなっていました。
KATOの製品では全て短いタイプになっていますね。
通風口の位置関係とはきちんとリンクが取れていることになりますが・・・
残念ながらキハ36についてはそれ自体がエラーということになります(というか、製造上あえて他の2形式と統一したのだと思いますが)。
ちなみにKATOのキハ35の車番は89(T車)と33(M車)です。
これらはキハ35-27以降なので通風口の位置は前面で正解ですね。
今回のこの製品についてはネットのあちこちで残念がっている感想を目にしました。
色が首都圏色じゃないことや、黒い貫通幌が付いた仕様のものだった(しかもその取り付け方が今までの製品とは異なり、幌枠のみのバージョンに改造するには多少の工作力が必要になる)ことがその理由としてよく目に飛び込んできたのですが、実のところこの両者は僕にとっては大好きな要素だったので歓迎こそすれ、残念に思うことはありませんでした。
ただひとつ残念だったのは前面補強工事前の姿をプロトタイプとしていることです。
僕はあの武骨な前面補強板のあるタイプが好きだったんですよね(笑)
幸い上の写真の通り、レイルロードのキットがあります。
比べてみたところ各部の寸法もほぼKATOの製品と同じ様(乗務員扉がほんの少しスマートな感じ?)なので、こちらを一般色の補強工事後の姿に仕立てていずれ製造してやりましょう。
ヘッドライトもいわゆるブタ鼻型の2灯シールドビームにする予定です。
楽しみだなぁ・・・
あと気付いた点は上の写真でもわかると思いますが、キハ35のトイレ部分(画面の向かって右端の窓部分)です。
この下にはトイレ流し管があるはずなのですが、製品では省略されています。
台車とも干渉しない場所なので銀河のパーツか何かを取り付けることで、ちょっとした細密化が図れると思います。
多少ウデにおぼえのある方はやってみて損はないでしょう。
こちらはウチにある資料本と昔撮った写真です。
写真の方は四日市近辺で撮影したものだと思いますが、フィルムがすでに赤茶けていてひどい有様でした。
フォトショでできるだけ色を再生してますが、朱色が濃すぎですね(汗)
最後にKATOの製品の車番の車輌の車歴を調べてみました。
キハ30-10:1963.2.22製造・初配置は亀山→最終配置は茅ヶ崎で1986.6.16に廃車。
キハ30-7 :1963.2.22製造・初配置は亀山→最終配置は伊勢で1987.1.12に関東鉄道へ譲渡→キハ304へ。
キハ35-89:1965.1.12製造・初配置は奈良→最終配置は亀山で1987.2.10に廃車。
キハ35-33:1962.11.16製造・初配置は亀山→最終配置は亀山で1987.2.10に廃車。
キハ36-15:1962.6.20製造・初配置は奈良→最終配置は亀山で1987.2.10に関東鉄道へ譲渡→キハ357へ。
やはり、と言うか何と言うか・・・
どれも亀山に所属していたことがある車輌たちなんですね。
まさしく僕が子供の頃に見ていた車輌たちです。
ところで国鉄気動車好きには一大事(笑)
来年2月を予定としてTOMIXから一連のキハ10形の再販やらキハ40形の新発売やら、気動車関連のリリースが相次ぎます。
どちらかの発売がズレ込むことを願っているのは僕だけでしょうか?
・・・だって資金の捻出が・・・(^^;
[4回]
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今後とも、大切に扱ってください。
実は、ぼくも、KATOのキハ35系・通勤形気動車 一般色を所有しております。
こちらは、2008年~2009年に、ホビーセンターカトー大阪店(一部・ホビーショップ・コスモ ジョーシン・スーパーキッズランド・本店)で、購入・納車したもので、新品で新製配置されております。
キハ35形・6両とキハ30形・2両の、計・8両を所有しており、夜間運転もするので、白色室内灯(11‐209・KATO 純正品)を標準装備しており、1965年~1977年にかけての、山陰本線・京都口(愛称・嵯峨野線)の普通列車・福知山行をイメージしていて、再現しております。
走らせてみると、フライホイールの動きも相俟って素晴らしい走りを見せており、今後とも大切にあつかい、末永い愛用を心掛けていこうと想い、願っております。
WEBLINK [ ] NAME [ BOUQUETFRAGRANCE #4d9b24ae10 ] EDIT [ ]
同時期に同じ車輛を手に入れられているんですね。
文面からこの模型への愛情がひしひしと伝わってきます。
私も室内灯を組み込みたいと考えているのですが、まだ購入当初の状態のままで保持しております(笑)
特に思うところがあってそうしているわけではなく、ただ単に不精な性格が災いしてそうなっているだけなのですが・・・
実車の写真は、私がまだ小学生低学年の頃に、親のカメラで咄嗟に撮影したモノです。
当時はこの車輛のプロフィールは何も知らない状態でした。
それどころか形式名すらわからない状態で撮った写真です。
このフィルムを発掘した時は、よくまあ撮影していたものだと我ながらに感心してしまいました。
近年は久留里線で活躍していたキハ35系も廃車となり、実物を見る機会もほとんど失われてしまいましたが、模型の世界ではずっと現役ですので、大切に維持して行きましょう。
BY:たのひろ@管理人